「家族で保険をまとめた方がいいのですか?」というご相談を何度か頂いたことがあります。家族型や夫婦型は自動車保険にもありますが、少し内容が違います。医療保険やガン保険で家族型を検討中の方は、まずメリットやデメリットを知ることから始めましょう!
家族でまとめると安くなる家族型の保険!保障内容はどうなるの?
最近あまり見かけなくなりましたが、昔にご契約になった保険について相談を受ける際に、ご主人様の医療保険やガン保険に、ご家族や奥様の保障が家族型特約・夫婦型特約といった名称で付加された保険に出会うことがあります。
確かに、夫婦別々で保険に加入するより保険料は安くなりますし、手続きも一本化できて管理がラクです。
また、家族型の場合、子供については、何人いても保険料は変わらない商品が多く、お子さんが多く、とりあえず加入したい方にはお勧めです。
けれども、保障については注意が必要です!!ほとんどの保険会社では、例えば夫(主たる被保険者)の契約に妻や子供が家族型として付加できる保障は、夫の6割程度です。
夫が死亡した場合、契約自体が終了するため、妻や子供の保障がなくなってしまい、あらたに加入し直さなければなりません。(保険会社によっては、引き続き支払うことで、保障を継続できる場合もあるようです)
子供の定義は、年齢により、23歳までなど、保険会社によってまちまちです。
私が7年前に勤めていた国内の大手生命保険会社でも、家族型や夫婦型の新規契約のお取り扱いは、すでに終了していました。家族は、別々に保険をもつことが、主流になってきているようです。
夫婦どちらかが病気になった場合、以後保障を変更できない可能性も・・
実際にあったケースですが、奥様の保障を夫婦型で付けている医療保険にご加入の、ご主人様から保障の見直しで相談を受けました。
ご主人様は、健康状態が良好で最新の内容で医療保険の見直しをすることが可能でした。しかし、奥様は数年前に乳がんになっており、手術をして現在は年に1回がん検診へ行かれている状況でしたので、新たに保険の見直しができません。
ご主人様が保障を変更してしまう=夫婦型の奥様の保障もなくなる ことを意味します。
結局、ご主人様は夫婦型の医療保険を、そのまま残し、最新の医療保険にお一人でご加入になりました。
家族型の保険には先進医療特約が付加されておらず、そのことが気になっていたようです。
ご主人様は最新の医療保険と古い家族型の医療保険の2つの保険料を支払うことになり、家族型で本来は安いはずの保険料が、2つ加入することにより結果的に高くなってしまいました。

ご夫婦で同じ保険会社にこだわる必要なし!
保険はオーダーメイドで考えましょう。
医療保険やガン保険は、一生涯にわたってお付き合いしていくものなので、ご自身の健康面で気になる保障は手厚くするなど、必要性を考えながら、理想に近いものに加入すべきです。
夫婦で全く同じ保障内容で良いはずがありません。
近年では、特約の種類も豊富になり、必要な特約を自由にセレクトできる傾向にあります。
女性疾病特約や、生活習慣病が気になる方向けの特約もありますし、最近では、手術の倍率を個々に変えられる保険商品もあります。
医療保険一つでも、保険会社によって特約の内容は様々。保険料も男女で異なりますし、女性疾病の範囲が広い保険商品もあります。
ご夫婦で同じ保険会社に加入していても、請求手続きなどは、そもそも個人の状況に応じて発生するものです。同じ保険会社ということ自体、それほど意味はありません。
保険に加入する目的は、将来起こりうるリスクを回避することなのですから、同じ保険会社という事にこだわらず、夫婦がそれぞれの視点で必要な保険会社・保障内容を選ぶことがより大切ですね。